[2009年11月アーカイブ]

11月17日、全4回のpingpongワークショップ『つくる図書館をうごかす』を振り返って、
参加してくれた学生へのインタビューとアンケート調査を行いました。
その結果をご報告します。

[多摩美術大学ワークショップ参加者へのインタビュー]

最終的なデザイン提案の説明をお願いできますか?

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本に挟む際に最終的にどのような形が良いかを検討した結果、折って冊子になるタイプになりました。
これは、全体としてプレゼンで提案した内容が地図と導線と各エリアが示されているというものが見えるようになっています。また、折ると1つ1つの提案場所のページになります。

裏のページは、プロセスと現状の導線を見る事ができて、裏と表で見比べられるようになっています。
プロセスについても載せています。具体的には、ワークショップのプロセスを私たちがどのように受け止めて、何を考えたのかということ、そして、pingpongにおけるプロセスや、pingpong map がどう役に立ったのかというところを主に取り上げて書いています。
特に、pingpong mapから分かった現状のポイントというのが提案にすごく生きてきたので、
現状についての説明をテキストで載せています。

現状の把握についてpingpong mapが果たした役割をもう少し詳しく教えてもらえますか?

まず、pingpong mapから図書館が利用されている現状がどのようになっているのか、ということが分かりました。
人が少ない、ということは現場を観察すれば分かりますが、具体的にどのような場所に人が行かない、であったり、アートギャラリーをどのようにヒトが動いているのか、といった導線は、pingpong mapがあって全体を俯瞰することによって始めて見えてきたことだと思います。

そのような導線があるという視点から、
・不足している部分や今の良いところはそのままにした方が良い
・生きていない機能は生かそう
といった軸を作成していき、そこから具体的にどのように改善するのが良いのか、どうプラスしていったら良いのか、ということを考えていきました。

今、「軸」と述べましたが、pingpong mapを使ったプロセスを経ることによって軸となるコンセプトが見えてきたことが大きかったです。アイディアを考える際に、いつもこの軸に戻ることができ、ずれない提案につながったと思います。

現状把握、分析からどのように具体的な提案としてのアイディアにつながっていきましたか?

pingpong mapから得た視点をもとに、実際にその場所に行ってみて、身体を使って行為を体験してみました。
「ここにはヒトが集まらない」「カフェの周りにはヒトが集まる」といった視点を発見したら、まずはその場所に行ってみてみんなで考えようということを行いました。そして、その場所のメリット、デメリットをあげつつ、何が一番ベストかということを色々な場所に行って探した結果、アイディアとしてつながっていきました。

例えば、カフェのスペースにおける提案はどのように出てきましたか?

カフェは、現状として人が一番集まっている場所です。机、イスがあって、人はここで既に
座っていたりとか,話し合っているという現状があります。この既に人が集まっているということは良い部分ですし、それを変える必要がない、というコンセプトがまず軸として出てきました。

「集まる」、「話す」、「座る」、「机にモノを置く」といった機能を邪魔しないで更に良くするにはどうしたらよいのか、ということを考えました。その中で注目したのが、モニターが使われていないという事実です。
モニターに何かつけるだけでこの場所の提案に対しては十分ではないか、という意見が出ました。そして、その視点がモニターにバスの時刻表を移すという提案に繋がりました。これは、今の現状は変えずに更に改善させるためにはどうしたら良いか、という最初にあげた軸ともマッチするので、これが最終的な案として採用されました。

カフェのスペースで行わいた行為は、最終的なアイディアにどのくらい重要でしたか?

とても重要でした。どのような行為が行われているかということを知ることによって、モニターのアイディアについて議論したときも、話し合いをしている人にとって邪魔にならないようなモノにしないといけないという視点が生まれました。
必要な人には必要で、必要では無い人はさらっと流せるようなものが一番ここには合っているのではないか、ということから、(バス停が近いっていう場所との関係もあって)モニターの使い方としてバスの時刻表を提示するのが一番良い、という提案に繋がりました。

メンバー内での合意形成はどのように行われましたか?

モニターを使おうと決定してからのアイディア出し段階では、すごい色々なアイディアが出ました。
アニメーションを映すといった派手なものや、会議をするときにのために、1つの机に対して、1個のモニターを使えるようにするのはどうか、といったものです。
最終的には、これらのアイディアは、そこで行われている行為や場所の状況から無理であろう、ということで採用はされませんでしたが。
ここでも、やはり、「現状で行われている行為の邪魔にならない提案をする」という軸となるコンセプトがあったので、それぞれの参加メンバーにとっても、モニターに時刻表を映すというアイディアが一番しっくりきた、ということがあります。

最後に、今回のワークショップを踏まえて今後pingpongにあったらと良い思う機能などはありますか?

情報を整理するという機能があると良いかなと思いました。どのような行為が多く行われているのか、といった情報をもう少し整理して見ることができると、もっと役に立つと思います。
また、ユーザの属性(性別、年齢、趣味趣向など)を選択できるとより幅広いデザインに役立つのではないでしょうか。


[参加者へのデザインプロセス、pingpong mapに関するアンケート結果]

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以上、インタビューとアンケートの結果をご報告させていただきました。
今回のワークショップで得た知見を次回以降のワークショップで生かしていきたいと思います。
ご協力いただいた皆さまありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

DESIGNTIDE TOKYO 2009 報告

20091122 03:16PM  posted by pingpong   comments(0) | trackbacks(0)
10/30−11/3にかけて、東京ミッドタウン ホールでDESIGNTIDE TOKYO 2009 が開催されました。
pingpongはDESIGNTIDE との協力企画として、pingpong mapのDESIGNTIDE2009バージョンを提供させていただきました。

今回のpingpong mapは、メイン会場の出展ブースのインフォメーションマップとして開発しました。
その内容は単なるブースの位置情報をお知らせする地図ではなく、

「来場者の参加によって情報が作り直し続けられる地図」

です。

メイン会場を入ってすぐブース(ブース番号A0)にpingpong map がプロジェクションされました。

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「これで何したい?」というpingpongの問いかけに対して、会場を訪れた皆さんが出展作品を使って「したいこと」をTwitterに投稿してくださると、そのつぶやきがリアルタイムでpingpong map に反映されていきます。

反映される過程を簡単にご説明します。

(1) ブース番号(位置情報を抽出するため)を入れて、「〜したい」など行為(動詞)を含むつぶやきをTwitterを通して投稿(ハッシュタグ #ppdt09)。
(2) pingpong map に組み込まれたTwitter表示画面にリアルタイムで #ppdt09に投稿されたつぶやきが表示される。
(3) 投稿された文章の中から、サーバー上で動作しているプログラム(通称 pingpong engine)が「行為(動詞)」だけを抽出し、指定されたブースの地図上に吹き出しとして現れる。

このようにTwitterを通じて,来場者が一つの作品から誘発される行為の多様度がマップ情報として反映されていきます。
また、同じ作品に対して、同じ動詞を呟いた人がいればいるほど、どんどん文字が大きくなっていきます。

投稿してくださる来場者が増えるごとに、ある作品では、「広めたい」「使ってみたい」といったたくさんのバリエーションのあるつぶやきが地図上に表示され始めたり、また他の作品では「眠りたい」などの言葉がどんどん大きな文字に変化していったりしました。

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Twitterをご存知無い方の声も拾うため、インタビュー隊を編成してお客さんでごったがえす会場に繰り出しました。
作品に興味をもっているお客さんにお願いして、「これで何したい?」という質問を投げかけ、その答えを手持ちホワイトボードに書いていただきます。そして、その姿をデジカメで撮影。その画像もまた、地図上に反映させました。

とてもうれしいことに、入り口近くということもあって多くの人が足をとめて眺めてくださいました。どのようなプログラムが裏で動いているのかというpingpong engineやその仕組みに興味を持たれる方から、いったい何なんだろう?と頭の中のクエスチョンマークが見え隠れするような方まで反応は様々です。

最初は戸惑いを見せていた来場者の方も、pingpongスタッフの説明を聞いて興味をもってくださったり、その場でTwitterを使って参加してくださったり、、、、。

そうして日を追うごとに、投稿されるTwitterの数が増えて色とりどりの吹き出しがpingpong mapに踊り、最終日には目に飽きることのない動く地図が完成していました。

今回、お世話になったDESIGNTIDEの方々、またスタッフとして活躍してくれた多摩美術大学東京大学の学生の皆さん、そして何よりもTwitterとインタビューを通して参加してくださったご来場者の皆様、本当にありがとうございました。

pingpong mapは、この先も形を変えて進化していきます。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

※上記のDESIGNTIDEでのpingpong mapは、moonlinxさんのサイトで記事として取り上げていただきました。
ありがとうございます!
10月24日、多摩美術大学八王子図書館においてpingpongワークショップ『つくる図書館をうごかす』の第四回目が実施されました。

第四回目のワークショップでは、学生によるこれまでのプロセスの結果を踏まえた最終的なアーケードギャラリーのデザイン提案のプレゼンテーション、そして、pingpongチームメンバーとの質疑応答・議論が行われました。

[学生による最終提案のプレゼン]

いよいよ、緊張の面持ちの学生によるワークショップの最終成果となるプレゼンです。

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まず、これまでのワークショップの振り返り、そしてそこから把握することができた
多摩美術大学図書館の現状、得られた視点に関する説明です。

(1)多摩美術大学図書館にどのような「行為」が存在しているのかを、Twitterを通じて投稿
(2)投稿内容を図書館の地図上に配置し「行為の地図(pingpong map)」の作成
(3)(1)、(2)の結果、「自己の行為」には現在あまり使用されていない場所に「〜したい」という願望が多く見られ、「他所の行為には」現在の図書館での人の導線や使用されていない場所の発見

このようなプロセスを振り返りながら、発見された行為のパターンから導かれたものが下記の図の青線で示されている図書館の来訪者の導線です。

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図の青線で示されているように、両側にある建物の入り口から

(1)図書館ゲートへの入り口へ向かう導線
(2)カフェスペースへ向かう導線

といった主に2つの導線が生まれているということが見い出されました。

この洞察から、「現状をうごかす」というテーマのもと、現状の良いところはそのままに図書館の新しい可能性を広げるための「導線を広げる」という視点に立ったデザイン提案がされました。

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図書館に来る、また、来場者が中に入ってから留まるようになるための行為の可能性、また
その行為を自然に引き出すきっかけも同時に提示するための以下のようなアイディアがそれぞれのスペースごとに提案されました。

・バスの時刻表をモニターに映す
・公開講評会に使用する(という場の提案)
・インフォメーションスポットを置く
・2、3人で座れるソファーを置く
・図書館の入荷情報を載せる
・話し合いスペースにする

この提案でのポイントは、図中の記述にもあるように、
「図書館という同一の空間が場所として分割され、ある行為を誘発するということがわかった。そこから、それぞれの場所に合った提案が生まれた」
という視点だと思われます。

これは図書館で行われる行為をpingpong mapを通じて扱うことにより、集合として行為を捉えること、またそれら集合の関係性を見出せたということが大きい・・・と言えるかもしれません。

また、上記の提案デザインは、『つくる図書館をつくる』という多摩美術大学図書館が作られたのと同時期に作られた図書館の使われ方に関する挿絵ページの増版ページとして機能するようにもデザインされています。

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さすがは将来のデザイナー・多摩美の学生です。この辺りの完成度の高さには私達pingpongチームのスタッフも感激しました。

ぜひ、この提案が実際の図書館の運営や今後の使われ方に反映されることを願っています。

最後に、今回の多摩美ワークショップにご参加いただきました学生のみなさん、図書館員の渡部さん、そして、ワークショップをさせていただく場と機会を提供して下さいました港千尋先生、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

10月17日、多摩美術大学八王子図書館においてpingpongワークショップ『つくる図書館をうごかす』の第三回目が実施されました。 
第三回目のワークショップでは、前回の紙地図への行為マッピングを可視化したマップ(pingpong map)に反映し、各チームでのディスカッションを通じた分析を行いました。

[ワーク 1:pingpong mapを利用した分析]
いよいよ、前回の紙地図への行為マッピングを反映させたpingpong mapの登場です。
pingpomg map とは、前回のワークショップまでにTwitterを通じて投稿した人々の行為を以下のような視点によって分類した結果を可視化した地図です。

・現実/非現実
・自己/他者
・時刻(24:00 - 12:00、12:00 - 15:00、15:00 - 18:00、18:00 - 23:59)
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現実/非現実
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自己/他者
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時刻

上記の図は、それぞれの視点によってTwitterの投稿結果を場所の情報と共に可視化したものです。色が濃く部分は、より多くの行為が起こったことを示しています。また、色の彩度が高い部分は、異なる視点による行為が重なって起こったことを示しています。
学生は、pingpong mapを用い、実際に可視化ソフトウェアを動かし地図を触りながら、どのような新しい視点を持ち得るのでしょう?
pingpongチームは邪魔をしないよう、遠巻きにしながらその過程を見守っていました。
 
[ワーク 2:レクチャー]
チームごとのレクチャーの合間を縫って、李明喜(pingpong ディレクター)によるsmall lectureが隅のテーブルで開かれました。
今回のワークショップはデザインすることではなく、マップを使って見えないルールを見つけ出す過程こそ重要視しよう、という話が学生の皆さんに伝えられました。

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[ワーク 3:ディスカッション]
ここで、今後の分析やアウトプットに至る過程をどのように進めていくのかについて学生の皆さんから話し合いたいという要望がでました。その結果、ここまで進めてきたチームワークを解体し、全員で分析を進めていこうということに。
pingpong mapとのインタラクションを使って、さまざまなパターン、行為の解析を通じて、図書館がどのように使われているのか、人々は何をしたいと思っているのか、といった分析が行われました。
 
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さらに、場所を移動して、分析に基づいたディスカッション、アイディア出しへ。
雨の降る土曜の夜でしたが、pingpongチームも圧倒されるほどの熱意を参加してくださった学生の皆さんが示してくれたのです。スタートしたばかりのpingpongプロジェクトにとっては、確かな手応えのようなものを感じられた一日となりました。

ワークショップ最終日となる第4回目では、これまでに分析に基づいた、学生による最終的な提案のプレゼンテーションが行われる予定です。
お楽しみに。

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